令和7年2月 会津若松市に観測史70年で初の大雪災害。庭園ランドマークの五葉松が折れてしまいました

表題の通り、会津若松市は大雪災害に見舞われました。
令和7年2月は、4日から降り出した雪が10日間止むことなく降り続けました。とはいえ、ひどく積もる降り方からは緩んだだけで、10日経ってからもやはり止むことはありません。ようやく太陽と再開できたのは2週間も経った18日頃でした。(北陸や新潟では第二の大寒波として再び大雪に襲われていたらしいですが、会津は幸い第二の大寒波では影響を受ける事はありませんでした)
乾燥した「新雪」が無音でひたすら無数に降る状態…時にそれが吹雪いて、それがいわゆる「とても積もる降り方」です。
会津若松市、会津美里町、会津坂下町、湯川村、喜多方市がある「会津盆地」は、周囲の郡部町村と比べると、例年はさほど積雪が多い地域ではありません。(一部、喜多方市で豪雪地域はありますが)ですので、今回積もった130センチという積雪量は、その位は冬なら日常茶飯事だと笑われてしまうかもしれません。
ですが特に「会津若松市」はここまでの大雪には免疫も少なく、とても脆弱でした。
道路も「市」という構造上、幹線道路も生活道路も多すぎる上に、排雪場も少なく、除雪の重機もオペレーターも明らかに不足しています。たちまち道路も道幅も狭く、悪路となってしまいました。雪道運転の慣れているはずの雪国人たちもあちこちでスタックや事故が相次ぎ、交通がとても麻痺した危険な状態でした。
そんな中です。当館の日本庭園のシンボルでもあった五葉松の木が折れてしまいました。これは従業員一同もショックでした。
表紙の画像が折れる前のビフォーであるのに対し、上↑がアフターです。他にも離れの庭に立つサルスベリの木が折れ、竹林の竹もひどくダメージを負いました。
この五葉松は特に、当館の先先代オーナーがご夫婦で植えられたという、歴史ある五葉松で、その枝の伸ばし方もとても見事な庭木でした。海外の方もこの五葉松のある庭園の光景にとても「日本らしさ」を感じてくださり、私たちも誇りの松の木でした。
市内では雪の重さに耐えられずに倒壊する家屋やカーポートなども多かったのですが、当館は無事であったことを思うと、この五葉松が屋敷の身代わりに折れたようにも思えてしまいます。
実に残念ではございますが、雪が溶けましたら、お客様にお喜び頂けるような新しい景観に整備し、それを持って五葉松の長老の供養とさせて頂こうと思います。
少しくらいの雪でしたら風情もありますが、いかんせん、今回は多すぎました。それでもご宿泊に来られてお客様も多く、都市部では味わえない、貴重な「豪雪体験」ができたとおっしゃられた方もいらっしゃいました。
今年の2月は結局、2週間が大雪が降り続け、その後も除雪で道路が通常に近づくよう回復するまで更に1週間を要し、たちまち2月は終わりを迎えてしまいました。
冬は必ず春となる
これだけの大雪のあとは、きっといつもより麗らかで暖かく、美しい春が待っております。
自然も「起き上がり小法師」のように、皆で再生する会津の春を堪能しにぜひ足をお運び下さいませ。